専門部紹介
三重県教職員組合では職種や校種等によって次のような10の専門部を設け、それぞれの課題の解決等にとりくんでいます。
幼稚園部 |
幼稚園部は桑名・三泗・鈴鹿・津・松阪・伊賀の6支部で構成し、活動をしています。公立幼稚園は、都道府県ではなく各市町村の管轄となるため、各市町により、そのあり方(施設・制度・体制など)はさまざまです。そのため、各支部の情報交換・共有を大切にしています。
わたしたちは『子どもの権利を尊重し、最善の利益を保障しよう』というスローガンのもと、子どもたち一人ひとりが大切にされ、遊びや生活のなかで主体的にまわりとかかわり、「豊かな学び」につながる適切な支援ができるようとりくんでいます。また、地域に根ざした幼稚園として、子育て支援やセーフティーネットなどの役割をはたしつつ、地域とつながっていくことで、子どもの健やかな成長を支えています。
公立幼稚園は、国や地方公共団体の制度(幼児教育の無償化等)の影響を受け、存続自体が厳しくなっている現状もあり、課題は山積しています。いかなるときでも、すべての子どもたちのいのちとしあわせを願い、子どもの姿を出発点とした就学前教育にとりくんでいきます。
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障害児教育部 |
障害児教育部には、障害児学校や障害児学級等で働く仲間たちが集まっています。
わたしたちは「障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例」をもとに、子どもたちが安心して学べる学校、いきいきと生活できる地域づくりをめざし、各学校や機関と連携して運動をすすめています。
2016年に「障害者差別解消法」が施行され、「合理的配慮」の提供が義務づけられています。しかし、みなさんのまわりではどうでしょうか。学校内では、まだまだ「合理的配慮」の理解が十分にひろがっておらず、個別の支援として対応している例が多くあります。
わたしたちは、仲間たちの声を結集し、みんなで知恵をだしあうことで、「ともに生き、ともに学び、ともに育ちあう」教育の実現にむけてとりくんでいきます。
「『障害』は個にあるのではなく、社会にある」
子どもたちの夢・保護者の願い・わたしたちの思いの実現にむけ、それらにたちはだかる障壁をとりのぞいていけるよう、これからもがんばっていきます。 |
事務職員部 |
事務職員部は学校において、総務・財務等につうじる専門職として学校事務をつかさどる小中学校等の事務職員の専門部です。
学校で働く仲間とともに、子どもたちや保護者・地域の願いを受けとめ、義務教育無償の原則を大切にし、保護者負担軽減をはかることや、事務職員がよりいっそう、力を発揮できる共同実施をはじめとした制度の確立、持続可能な学校教育をつくりあげるための教職員の「働き方改革」や労働条件改善のとりくみなど、行政職の立場から子どもたちの学習環境の向上をめざす活動を推進しています。
また、学校事務研究集会等を開催し、子どもの学習権を保障する学校事務のあり方や、学校財務のあり方等、事務職員の実践を交流し、研究活動にとりくんでいます。
学校における課題は、近年いっそう複雑・多様化していますが、事務職員部は人と人とのつながりから生まれる力をいかし、その課題を解決するとりくみをすすめていきます。 |
養護教員部 |
養護教員部は、「子どものいのちと人権を守る」 という教育理念のもと、とりくみをすすめています。
昨今、子どもたちをとり巻く環境は家庭的にも社会的にも複雑かつ厳しくなっており、配慮や支援の必要な子どもが増えています。
1校に一人 (もしくは二人) 配置であるため、多岐にわたる対応に不安や迷いなどもありますが、養護教員部のたくさんの仲間と子どもの姿や学校現場のようすを交流し話しあうなかで、よりよい方向性を見出せるよう、日々活動しています。
研修活動として、地域・校種をこえた実践交流会や職務見直しのための学習会、学習冊子「すくらむ」や機関誌「ひこばえ」を発行しています。
子どもたちの生きづらさを受容しながら適切な対応ができるよう、目の前の子どもとむきあう時間を大切にし、健やかな育ちを支援していきます。 |
青年部 |
青年部は30歳以下の教職員で構成され、校種・職種のちがいをこえた多くの仲間が集まって、「人権・平和・環境・共生」を柱として「いのちを大切にする教育」の研究・実践をすすめていく活動にとりくんでいます。おもな活動としては、ヒロシマ平和行動への参加、四日市朝鮮初中級学校訪問、MY研の開催、東海ブロック青年教職員の集いなどのとりくみをおこなっています。また、教育予算や生活と権利に関わる要求や交渉についても、仲間とともに力を結集したとりくみをすすめています。
このようなさまざまな活動を通して、わたしたちが教職員としての力量を高め、学んだことを職場や青年部の仲間に還流することで、たがいに高めあえる活動になるよう一生懸命つとめていきたいと考えています。
わたしたち青年部は、「前むきに」ということを大切に、三重で働く仲間とともに力をあわせることをキーワードに活動していきたいと考えています。日々学校現場ではさまざまな対応に追われています。どのような状況でもわたしたち教職員が「前むきに」とりくむことが、子どもたちの笑顔につながっていくと思います。
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女性部 |
女性部は、校種や職種のちがいをこえた多くの仲間が集まって活動しています。
子どもたちのしあわせを願い、平和で民主的な社会の実現をめざし、母と女性教職員が語りあって思いや願いをだしあい、連帯して「母女運動」をすすめています。「全国母と女性教職員の会」「東海ブロック母と女性教職員の会」「みえ 子どもの未来を語る会」をはじめ、県内各地で支部母女や分会母女が開催され、つながりを深めています。(三重県では、名称を「みえ 子どもの未来を語る会」にとし、母親と女性教職員のみではなく参加対象を拡大して、保護者と教職員が語りあう運動となっています)
「男女」の自立と共生をめざし、誰もがいきいきと働きつづけられる環境をつくっていくことが重要です。そのために、ジェンダー平等の視点にたった教育実践をすすめ、出産・育児・介護への支援制度や休暇の充実をめざし、ワーク・ライフ・バランスの実現にむけてとりくんでいきます。みなさんの声を集め、仲間とともに、大きな力にしていきましょう。 |
実習教員部 |
実習教員部はさまざまな問題にとりくんでいます。実習教員は三重県内の高校・障害児学校でそれぞれがもつ専門性をいかして勤務しているため、教科や労働環境等が異なります。また、少人数の職種ということから、「声をあげにくい」「問題があきらかになりにくい」という声もあります。
少数であることをつながりの深さと強さにしながら実習教員一人ひとりの声をしっかり受けとめあい、それぞれが抱える問題を一つずつ解決していくことが、専門部として重要であると考えています。
近年のとりくみの成果として、呼称が「実習教員」に変更されました。これは、実習教員部が長年抱えてきた問題の一つでした。さまざまな問題にむきあいながら、ねばり強くとりくんでいきたいと考えています。 |
栄養教職員部 |
栄養教職員部は、三重県内の栄養教諭・学校栄養職員から構成されています。「子どもの実態に応じた食教育の推進を」「安全・安心な学校給食実施の条件整備と内容の充実を」をスローガンに、とりくみをすすめています。
心身ともに急速に成長する時期にある子どもたちにとって、バランスのよい正しい食事をとることは、健康な生活をおくるうえでの基本となります。学校給食は、子どもたちに必要な栄養がとれるように工夫されており、健康の保持増進や体位の向上に大きな役割をはたしています。また、みんなでいっしょに楽しく食べる体験をつうじて、望ましい食習慣や豊かな人間関係を養う場にもなります。
わたしたちは、学校給食が一人ひとりの子どもを大切にし、安全・安心で、地域に根ざしたものとなるよう、生きた教材としてその内容を充実させていきたいと考えます。子どもたちの健やかな成長と笑顔のために、今後もとりくみをすすめていきます。 |
学校図書館司書部 |
学校図書館司書部は「子どもに本を 学校に司書を!」をモットーに、子どもたちの学びに資する学校図書館をめざして活動しています。
豊かな心を育むための読書活動推進はもちろんのこと、「主体的・対話的で深い学び」の担い手としてその機能を十分に発揮するため、授業をおこなう教員と連携し、資料や情報の整備につとめています。また、学校図書館は必要な情報を取捨選択し、活用する力(情報リテラシー)を育成する場でもあります。支部や全体での実践交流等、教育研究活動にもとりくみ、研鑽を積んでいます。
学校図書館法に位置づけられる学校司書ではありますが、雇用環境や配置状況などさまざまな課題があります。また、学校図書館の蔵書やICT環境を整備するための予算も十分とは言えません。子どもたちが等しく学校図書館の恩恵を受けられること、わたしたちが安心して働きつづけられること、そして学校図書館のよりいっそうの充実を、組合運動をつうじて求めています。 |
教育事務現業部 |
教育事務現業部は県立学校で働く仲間が集まっています。環境整備や修繕業務、介助業務に関わりながら事務業務に携わるものや、調理業務に携わるもの、教育職となりより深く子どもたちと関わるものなど、以前と変わらず学校の教育活動に関わってきました。
2016年に任用がえとして職種の変更はおこなわれたものの、分会の規模や状況、環境によっては、あらたな事務業務に携われていない状況もあり、2023年度で三重県全体として完了する予定ではあるものの、まだまだ課題が多く残っています。
また、新規採用がないまま二十年が過ぎ組合員の年齢構成もかなり高くなっている現状では、地域的な不均衡や人事異動に関わる厳しい状況も生まれています。全日制および定時制、障害児学校等、業務の現場のそれぞれの実情や関係当局の意向等に関わって、よりていねいな調整を求めていかなければなりません。
さらに地域や構成人員の状況も考慮しておこなった任用替えであったことをふまえ、調理業務の業務委託化についても適切にすすめられなければなりません。これからも、安心・安全で、よりよい教育環境と勤務条件の維持・向上をめざして、ともにがんばりましょう。
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